2015.03.28連載
タイ在住912日目 食品宅配サービスの会社の先輩
赴任間もないみなさん、タイにはもう慣れましたか?日本とは違う環境で、仕事で成果を出すにはどうしたらよいのか。約3年間バンコクに暮らす先輩に、駐在生活の成功の秘訣を聞きました。
4人目:タイ在住912日目の先輩 (33歳)
現在はどのようなお仕事を?昨年5月に、家庭向けの食品宅配サービスの会社を起業しました。お米や明太子など、自分で目利きした品質の高い商品を手頃な価格でお届けしています。
起業する前はどんなお仕事を?もともとタイには駐在員として来ました。大阪の水産商社に勤めて7年目にタイ駐在になり、水産物工場の品質チェックなどを担当していました。
起業しようと思ったきっかけは?以前から、いつか起業したいと考えていました。タイで働いているうちに、タイが好きになり、タイのことを知るうちに、日本よりビジネスチャンスが あると思い、起業を決断しました。日本にはビジネスを始める隙間がほとんど残っていませんが、タイは今後、中間層が増えてマーケットが拡大することが見込めます。具体的なビジネスのアイデアを思いついてからは、やりたい気持ちが大きくなって、年齢的にも早い方がいいと思い、駐在の任期の途中でしたが、退職して起業準備に専念することにしました。
いざ起業するまでに苦労したことは?前職の会社へ掛かる迷惑を最小限に抑えるよう気を遣いました。期待してタイに送り出してくれたので、申し訳ない気持ちで一杯でしたが、上司一人ひとりに、自分の夢を包み隠さず話して、時間をかけて理解してもらいました。今でも、上司が出張でタイに来る際には、会ってアドバイスをもらったりしています。独立してやっていくには、いろんな人の助けがないと一人では到底できませんので、会 社員時代以上に人とのつながりを大 切にしないといけないと感じています。
今後のビジネスプランは?満足度の高いサービスを提供しながらもっと認知を増やしていきたいです。日本人の認知が確立できたら、次の段階として、タイ人に日本の高品質な食材を知ってもらえるように事業を広げていきたいですね。将来的には、タイだけでなく周辺国も視野に入れ、自社で物流機能を持つ強みを活かしていきたいと考えています。
起業してよかったですか?人にはおすすめしないというのが本音ですね(笑)。会社を作ること自体は難しくありませんが、会社を経営していくのはとても大変なことだと実感しています。ですが、後悔はゼロです。大変な面もありますが、日々、スリリングで刺激的で、人生がどんどん面白くなっていくのを実感しています。