2016.05.24連載
駐在生活お悩み相談:中3の娘にアメリカ人の彼氏ができたようです。。
慣れない海外生活には、いろいろな悩みがつきものですよね。なかでも、妻・彼女やタイ人女性スタッフなど、女性とのコミュニケーションの問題に頭を抱えている方も多いのでは?ここでは、男女の心理に詳しい平松隆円先生が、状況を打破する方法を指南。少し心が軽くなる読む処方箋です。
オトコの駐在生活お悩み相談 その17
中3の娘にアメリカ人の彼氏ができたようです。いずれ別れなければいけないので、のめり込まないようにさせたいのですが、どういうアドバイスが効くでしょうか。
(42歳、既婚、駐在歴3年)
好評のうちに終了したNHK朝の連 続テレビ小説「あさが来た」。そのモデルとなったのは、三井家出身で豪商加島屋に嫁いだ廣岡浅子でした。この浅子、娘 婿の妹(一柳満喜子)の結婚を手助けします。 というのも、満喜子は子爵令嬢でありながら、 アメリカ人であるウイリアム・メレル・ヴォーリズと結婚しようしたから。今でこそ珍しくない国際結婚ですが、明治の世では別。子爵という社会的地位の高い女性が、外国人と結婚するのはもってのほかでした。最終的に満喜子は、浅子の尽力もあり、子爵という身分を捨ててヴォーリズと結婚します。
このように、今ほど気軽に外国に行くことも、連絡を取ることもできなかった時代でも、 愛を糧に思いを遂げようとした国際カップルはいました。あなたは「いずれ別れなければいけない」と思っているかもしれません。ですが今の時代、外国は遠い国ではありません。もしかしたら、お嬢様はボーイフレンドとの別れを選択することなく、気持ちを育み続けるかもしれませんよ。
恋愛は、一般的には異性間における親密な人間関係を築くこと。教育学的にいえば、青年期にその関係を築く技術を身につけないといけない発達課題の一つです。同じ言語を話し、同じ文化的背景をもっていても、その関係を築くことは容易ではありません。まして、外国人を相手にするとなると、その苦労は想像に難くありません。ですがもし、外国人とのあいだで親密な人間関係を築くことが出来るようになったとすれば…。人として大きく成長できることは間違いないでしょう。
別れにともなう悲しみを経験させたくないという親心も理解できます。ですが、それも人として成長する貴重な体験。お嬢様を温かく見守られてはどうでしょうか。
今月の処方箋:いずれ別れなければいけないなんてことはありません。外国人との恋愛経験は人生の大きな糧になるはず。お嬢様の気持ちを尊重して見守ってあげましょう。
平松 隆円 大学教員 / コラムニスト 京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、タイ国立大学勤務のため生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。 http://ameblo.jp/ryuenhrmt/
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