2016.04.26連載
タイカルチャー基礎知識:4月6日チャックリー王朝記念日
1782年4月6日、プラヤー・チャックリー将軍(ラーマ1世。またの名をソムデット・プラ・プッタ・ヨート・ファー・ チュラローク王) が国王に即位され、チャックリー王朝が誕生しました。以来今日までこのチャックリー王朝は続き、毎年4月6日はチャックリー王朝記念日(ワン・チャックリー)として国の祝日とされています。チャックリー王朝第9世でいらっしゃる現国王プーミポン・アランヤデート陛下も、プラ・プッタ・ヨート・ファー橋のたもとのラーマ1世の銅像に毎年参拝してこられました。
ここでタイ王国の歴史を少し遡ってみましょう。タイの歴史は大きく分けて4つの王朝が歴史の核となっています。チャックリー王朝でバンコクに首都が遷都される前は、すぐ隣の港町であるトンブリーが首都だったトンブリー王朝(1767-1782 年)、その前は、今でも遺跡が多く残るアユタヤ王朝(1350- 1767 年)、そしてタイ国全土が初めて一つにまとまったスコータイ王朝(1237-1438 年)でした。
そして最初のスコータイ王朝時代に、父親のように優しかった王、熱心な仏教の支持者であった王、そして国を守った強い王の3人の国王が生まれ、今日まで続くタイ王国の基盤が作られたと言えます。国旗の3色が表しているのが、まさにこの3人の王様が残してくれたタイ王国の根幹です。紺色:王室・ 国王陛下(父親のように優しい王)、白:宗教(熱心な仏教の支持者だった王)、そして赤:国・民族(国を守った強い王) の3つになっていると思います。私たちにとって一番身近な現王朝の始まった4月6日ワン・チャックリーを迎えるにあたって、今生活をさせて頂いているこのタイ王国の昔に、想いを馳せてみられてはいかがでしょうか。
住田 千鶴子 スミタ・カルチャー・センター&プロダクション主宰。長年にわたり、日本人駐在員や日系企業のタイ人従業員向けのトレーニング講師、国際会議での通訳・翻訳業務に携わる。東京ディズニーランドにて会議通訳・コーディネータ ー・アシスタントマネージャーとして18年活躍。初来タイは50年前の1963年。日本人駐在員の必須マナーについての著書が12月27日に出版予定 (SUMITA Limited Partnership出版)。 http://sumitaschool.com/