2016.10.22特集

バンコクの飲食シーンを牽引する、腕利きの日本人シェフ20人を一挙大公開！PART3！

いつもお世話になってる“ あの味” を生みだすシェフって、どんな人？

独立系オーナーシェフから僕たちと同じ駐在員シェフまで。その腕一本で海を渡りタイに集った日本人シェフ達の素顔に迫ります。

PART3では、バンコクで働く日本人シェフ6人をご紹介！

囲炉裏十番

燻製盛りあわせ５種（６２０Ｂ）うずら、サーモン、サンマ、鮭とば、カマンベールをいぶした自家製の燻製です。芋焼酎など少しクセのあるお酒に合います。

常にチャレンジを続けるたゆまぬ努力の料理長

バンコクに来て５年と少し。以前は、東京と名古屋で働いていましたが、日本で培った力が海外でどれだけ通用するか試してみたくなり、チャンスを得てタイに渡りました。この５年でバンコクもずいぶん変わりましたね。豊富な種類の魚が日本から即日で入るようになったのは、ひとえに流通会社さんの努力の賜物です。そんな新鮮な食材を新鮮なうちに最良な形でお出しするのが、私ども料理人の仕事といえます。
当店はお客さんの９割以上が日本人なので、日本人に満足していただける味を創り上げています。新鮮なお魚ならば刺身でも十分よいのですが、さらに上を目指して、たとえば藁焼きの技法を使うなど、食材のおいしさを最大限に活かす工夫を日々探求しております。
現在３店舗展開している十番グループは、いずれもタイ在住者に日本クオリティの食とサービスを提供することが目標です。日本人が大切にしてきた精神を、料理を通じてお客様に伝えていきたいですね。

中谷一喜氏（47歳）料理長
シェフ歴：29年
出身地：岐阜県
趣味：釣り
よく行くお店：日本料理

囲炉裏十番
TEL：02-392-0489, 06-3189-2440
営業時間：17:30-23:30(L.O.23:00)
住所：36/1 Soi 49/6 (Soi Prompak), Sukhumvit Rd.

囲炉裏十番の店舗詳細

伊勢の国サクラサク別館

男の麻婆豆腐（２２０Ｂ）これ目当てに通うファンも数多し。一般的な麻婆豆腐とは、辛みや旨みの濃度が違います！

料理と日本酒愛に満ちたプロフェッショナルな料理人

売れ筋は「麻婆豆腐」に「トンテキ」、「すき焼き」。でも僕は、すき焼きよりもしゃぶしゃぶの方が好きだから、なぜすき焼きが売れるのかよく分からない。人気の麻婆豆腐にしても、常連さんからは「豆腐をあえて崩すことで口当たりがいい」、「花椒がたっぷり入っているところにこだわりを感じる」と褒めていただけるのですが、自分にとっての“麻婆豆腐の完成形”を創出しているだけなんです。
僕は18歳で、泉鏡花が『歌行燈』を書いた三重の旅館で働きはじめ、その後は、東海地方のホテル等で中華や洋食を身につけました。自分が作りたいものを作ることは調理師の仕事の一つだけれど、それだけだと商売は成り立たない。質を落とさずコストを工夫し、単なる“自己満足”から“商品”に変えることが、プロの料理人に求められる仕事だと思っています。
こだわりなんて無いですよ（笑）。まあ、あえて言うなら、牛肉は薩摩牛、日本酒は岐阜。それだけは譲れませんね。