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駐在生活お悩み相談:会社の飲み会にスタッフを誘っても、遠慮があるのか盛り上がりません。。。

慣れない海外生活には、いろいろな悩みがつきものですよね。なかでも、妻・彼女やタイ人女性スタッフなど、女性とのコミュニケーションの問題に頭を抱えている方も多いのでは?ここでは、男女の心理に詳しい平松隆円先生が、状況を打破する方法を指南。少し心が軽くなる読む処方箋です。

オトコの駐在生活お悩み相談 その10

Q

会社の飲み会にタイ人女性スタッフを誘っても、日本人上司に遠慮があるのか、あまり盛り上がりません。楽しく飲むにはどうしたらよいでしょうか?
(32歳、未婚、駐在歴5ヶ月)

A

日本とタイでは、お酒に対する意識が違います。ある調査では、2011年当時で飲酒の習慣があるタイ人は25%。逆にいえば、75%の人には飲酒の習慣がないことを意味します。その理由の一つには、仏教が影響しています。

仏教には、在家の信者が守るべきとされる 5つの戒律があります。その5つとは、不殺生 (せっしょう)・不偸盗(ちゅうとう)・不邪淫 (じゃいん)・不妄語 (もうご)・不飲酒 (おんじゅ)。これ は、強制ではなく、自らに戒めて実践しなくてはならないとされています。つまり、敬虔な仏教徒にとっては、不飲酒を守るためにお酒を全く飲まないということもめずらしくないのです。

また、世代にもよりま すが、女性の場合はお酒を飲んでいる姿を知り合いに見られることは、恥ずかしいことだと考えている人もいます。日本人からすれば、無礼講で楽しくお酒を飲んで親睦を深めたいという気がしますが、そもそもタイ人からすれば、一緒にお酒を飲むという発想がない場合もあるのです。

これは、若い世代でも同じです。ボクは大学に勤めていますが、学生と飲みに行くことはありません。日本の大学に勤めていた時は、 学生からも飲みに行こうと言われることがありましたが、タイでは一度もないのです。また、これはタイ人の同僚教師に言われたのですが、 タイで教員が学生を飲み会に誘うということは非常に大きな問題になるといいます。それくらい、タイ人とお酒の関係は微妙なんです。実際、大学では、歓送迎会や忘年会などはランチタイムにお酒なしで行われています。

ですので、楽しく飲むにはどうしたらよいかという相談には、お酒を一緒に飲むことを期待しない方がよいというのが回答になるでしょう。お酒を強制せず、飲まない人にも配慮した会を企画すれば、お酒がなくとも盛り上がり、楽しい時間が過ごせるでしょう。

今月の処方箋:
人によっては、飲酒の習慣がなかったり、飲酒はよくないことだと考えている場合があります。お酒を飲まなくてもよい食事会を企画した方が盛り上がるでしょう。

平松 隆円 大学教員 / コラムニスト 京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、タイ国立大学勤務のため生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。 http://ameblo.jp/ryuenhrmt/

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