2015.11.18連載
駐在生活お悩み相談:帰任する際に日本にタイ人の彼女を連れて帰るべき?
慣れない海外生活には、いろいろな悩みがつきものですよね。なかでも、妻・彼女やタイ人女性スタッフなど、女性とのコミュニケーションの問題に頭を抱えている方も多いのでは?ここでは、男女の心理に詳しい平松隆円先生が、状況を打破する方法を指南。少し心が軽くなる読む処方箋です。
オトコの駐在生活お悩み相談 その12
来月、日本に帰任することが決まりました。付き合っているタイ人の彼女と今後どうすべきか悩んでいます。連れて帰らない方がよいでしょうか。
(36歳、未婚、駐在歴4年11ヶ月)
連れて帰るのはやめなさい。そして、今すぐ彼女と別れたほうがいいです。それは、タイ人女性に問題があるからではありません。あなたが、「連れて帰らない方がよいでしょうか」と悩んでいるからです。つまり、あなたの気持ちがそんなに強くないわけです。そんな気持ちのあなたと一緒にいて、彼女は幸せになれるでしょうか。きっと、幸せにはならないし、いい関係ではいられないでしょう。であるならば、帰任を機に関係を解消してはどうでしょうか。
べつに、あなたを責めているわけではありません。誰もが、別れるつもりで恋愛をすることはありません。これが最後の恋だと思っていることでしょう。ですが、恋愛は人間関係です。好きという気持ちだけでは克服できない価値観の違いなどで、関係が崩れることだってあります。そして、結婚ともなると、 二人だけの問題ではなく、家族との関係も重要になってきます。実は、ボクも、付き合っ ているタイ人の女の子を、日本の実家に連れて行ったことがあります。残念ながら、異文化理解の問題で、ボクの両親(特に母親)とはいい関係が築けませんでした。
ところで、異国に赴任しての恋愛といえば、思い出されるのが森鴎外とエリーゼです。二人は、鴎外のドイツ留学中、恋愛関係にありました。ですが、留学を終えて帰国する鴎外は、エリーゼとの関係を終わらせます。そして、鴎外のことが忘れられないエリーゼは、一人船に乗ってはるばる日本まで鴎外を追っかけてくるのです。結局、鴎外はエリーゼを追い返し、その後、別の女性と結婚しました。
帰任が決まった以上、時間は残りわずかしかありません。自分の気持ちを正直に彼女に伝え、二人の今後をどうするか、話し合ってみてください。彼女があなたを忘れられず、 日本まで追っかけてきて、それを追い返すことほど、悲しい結末はありませんよ。
今月の処方箋:少しでも迷いがあるなら、連れて帰るべきではありません。中途半端な気持ちでは、帰国後に悲劇が起こりかねません。帰国前に彼女とよく話合いましょう。
平松 隆円 大学教員 / コラムニスト 京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、タイ国立大学勤務のため生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。 http://ameblo.jp/ryuenhrmt/
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