2015.12.17連載
駐在生活お悩み相談:交際している日本人女性が日本に帰国、遠距離交際を続ける秘訣とは?
慣れない海外生活には、いろいろな悩みがつきものですよね。なかでも、妻・彼女やタイ人女性スタッフなど、女性とのコミュニケーションの問題に頭を抱えている方も多いのでは?ここでは、男女の心理に詳しい平松隆円先生が、状況を打破する方法を指南。少し心が軽くなる読む処方箋です。
オトコの駐在生活お悩み相談 その13
タイで知り合って交際している日本人女性が日本に帰国することになりました。僕の任期はあと1年。遠距離交際を続ける秘訣を教えてください。
(31歳、未婚、駐在歴4年)
遠距離恋愛は、正直なところ難しいです。大好きな恋人と別れたくないと思うでしょうが、これをきっかけに新しい恋人を見つけるのも、いいかもしれませんよ。せっかくの残り駐在生活1年。タイ人はもちろん、ほかの外国人女性と付き合うチャンスです。
なぜ、遠距離恋愛が続かないかは、心理学的にいえば「単純接触理論」という考えで説明されます。アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが発見したのですが、ひとは話したことがないような相手でも“単純に”顔を見合わせるだけで、その頻度に比例して相手に好意をもつんです。ほら、毎朝の通勤電 車などでいつも同じ車両に乗ってくるひとに親近感を覚えませんか。それが、単純接触理論なんです。ですので、遠距離恋愛になって恋人に会う回数が減れば、相手への好意は減少していきます。そのため、恋人関係を維持していくのは、とても難しいんです。
こんなことをいうと、頻繁に電話やLINEをするというひともいるでしょうが、それではダメなんです。大事なポイントは、相手の顔を見るということ。ザイアンスは写真を使って実験を行っていますので、画像でもいいかもしれません。ですが、考えてみてください。もし、あなたや彼女を食事に誘う異性が現れたら。 いくらスマホの待ち受けを恋人の画像にしていたとしても、目の前にいる異性の方に気持ちが傾いても仕方ありませんよね。
どうしても別れたくないというのであれば、自宅にいるときは、Skypeなどのビデオチャットをつけっぱなしにしておきましょう。そして、週末のたびにエアアジアなどを利用して、彼女に会いに行きましょう。これができる覚悟がないと、遠距離恋愛を続けていくことは難しいでしょうね。そして、もちろん彼女も遠距離恋愛を望み、これくらいのことをして欲しいと思っていなければダメですが。遠距離恋愛には、強い意志と行動力が必要になってくるんです。
今月の処方箋:遠距離恋愛は難しいもの。精神的な距離が離れてしまわないよう、毎日チャットで顔を合わせたり、休みの度にタイを訪れるなどの努力を怠らないようにしましょう。
平松 隆円 大学教員 / コラムニスト 京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、タイ国立大学勤務のため生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。 http://ameblo.jp/ryuenhrmt/
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