刀 アソーク(懐石・しゃぶしゃぶ・焼肉)のこだわり
表通りから少し入った一角に突如現れる武家屋敷の、厳かな門の先に広がるのは、目くるめく非日常な世界。美酒、美食についてはもちろん、圧巻の空間美で話題を集める「刀」は、ゴージャスで洗練された内装と調度品、贅を極めた個室、隠し扉に隠し通路など、あっと驚くMade in Japanのエンターテイメントが満載だ。
それぞれに趣向を凝らした個室はとかく壮観だが、中でもひときわ目をひく総檜の能舞台は、日本から宮大工を呼び、古来の伝統技術で組まれたもの。実際に舞台に上がることも可能で、高級店には行きなれたという人でもここに連れてくれば感動されること間違いない。
14才から包丁に親しみ、国内外の一流店で修業したオーナーシェフ福田さんが紡ぎ出す一皿は、確かな技術と知識に自由な発想を加えた“新日本料理”というべきもの。季節の食材から珍味までどん欲に取り入れ、さりとて奇をてらい過ぎず、どれもが確かな技を感じさせる出来栄えで、舌の肥えた客のハートもがっちり掴んでいる。
接待に最適なコース料理は2,500B~、酒によく合う冷菜やおつまみは100B台~と、料亭の格調に居酒屋の親しみやすさも併せ持つ。アラカルトメニューで接待するなら予算は1,500B~が目安となるだろう。名店ひしめくバンコクでも味も雰囲気も折り紙付きの、頼もしき一軒だ。
もともと「刀」名物のしゃぶしゃぶ鍋で肉質に定評はあったが、さらなる情熱を注ぎ込み、至高の焼肉を堪能できる専門フロアを建物2階にオープンさせたのが2020年1月のこと。素性のしっかりした黒毛和牛の、納得のいくものしか出さないという主義のもと、北海道産から九州産まで吟味を重ね、その日最高の肉を見極める。脂の味ではなく、肉本来の魅力を味わうのにうってつけだ。
上ロース(880B)極上の旨みを湛えた肉であることが一目瞭然
ランイチ(780B)ロースとランプ肉、いいとこ取りの高級部位
シンプルだけど計算し尽された焼肉のラインナップはもちろん、高級珍味と肉の旨みがとけあう肉寿司をはじめ、オーナーシェフ入魂のサイドメニューも見逃せない。歯ごたえある太麺にすっきり牛骨スープが絡む冷麺は、締めの一杯にも最適。
肉寿司(2900B)イクラ、黒トリュフ、雲丹と美味が演舞する肉寿司
ラグジュアリーモダンな空間で”本物の焼肉”に舌鼓を打ちつつ、従来の「刀」でオーダーできるメニューは全て注文可能というのも嬉しい心配り。まもなく焼肉の美味を追求したコース料理もお目見えするとのことで、こちらも楽しみ。