寿司十番 匠のこだわり
江戸前の粋をタイに伝える人気店「寿司十番」のセカンドブランド「寿司十番 匠」が注目を集めている。つけ場に立つ中谷さんは食の世界で30年以上研鑽を積んだ職人。ネタにひと仕事ほどこす江戸前の技法を基本に、遊び心を盛り込んだ握りや、四季折々の味を見目麗しく仕上げた一皿でゲストの心をしっかりと捉える。
細部にまで目を配り、最良のタイミングで最高の寿司を提供。温かなもてなしに心も和む
食材を藁で包み高温で一気に焼き上げる「藁焼き」も同店の自慢。香ばしさが増し、脂がとけて旨さが濃厚に乗る新感覚を、一品料理と握りの両面から味わえる。
藁焼き握り寿司(6貫580B)。鰹を筆頭に、しめ鯖、帆立、明太子なども藁焼きで深みがいっそう増す
日本から直送される季節の鮮魚、生け簀に泳ぐ活魚でいただく寿司はいずれも華やかな佇まいで、目の前に差し出されるたびに心が躍る。活タコを細かくたたいてシャリを包み込むように握った「おはぎ」。モナカの中にあんこではなく、濃厚なあん肝を挟む「あん肝最中」。締めたての車海老をゆがいて甘みを引き出し、からすみをぱらりと振った端正な握り。酢飯は甘すぎず、塩しすぎない絶妙なバランスで、口の中でネタとシャリが渾然一体となり、ふわりと静かにほどけていく。
お任せ握り寿司(12貫1,800B)季節の鮮魚の持ち味をとことん引き出す江戸前の技術。リーズナブルな価格も嬉しい
気の置けない仲間となら、具だくさんが楽しい「太巻きのっけ寿司」もいい。角切りにしたサーモンやこぼれるいくらをつまみに、日本酒をゆっくり飲み進める…なんてのもオツなもの。
握りだけではなく、脇を固める巻物も主役級の存在感。太巻きのっけ寿司(580B)
店主が見繕った酒もまた楽しみの一つ。「三岳」や「虎斑霧島」などバンコクではじめてお目見えするプレミアム焼酎をはじめ、レアな日本酒・焼酎もズラリと取り揃えて90種類以上。
調理場の臨場感がダイレクトに伝わるカウンター席では、握りたてを堪能。個室では周りを気にすることなく、プライベートタイムをゆったりと。居心地のよい空間にうまい食とうまい酒。一度通うとまた足を運びたくなるお店と言われるのも、大いに納得だ。
コストパフォーマンスの良さから、仕事関係から家族の団欒までさまざまなゲストが利用する