2017.07.13連載
タイカルチャー基礎知識:ワチラーロンコーン国王陛下
1952年7月28日、タイは歓喜に包まれました。プーミポン・アドゥンヤデート国王陛下とシリキット王妃の間に、待ちに待った王子が誕生したからです。陸軍と海軍は21発の祝砲を打ち、国中が国民の歓喜の声で満ち溢れました。 時は流れ1972年、ワチラーロンコーン王子は皇太子となられました。そして、昨年10月13日に父君のプーミポン・アドゥンヤデート国王陛下が崩御されると、「国民と共に喪に服したい」としばらくは即位されませんでしたが、崩御49日後にあたる2016年12月1日、現暫定軍事政権下の立法議会議長から王位継承要請を受けて、「亡き国王陛下のご意志に従って、国民すべての幸せと利益のために王位に就くことを受け入れ、国王としての務めを果たします」と述べられ、王位継承の儀式を経て、名称がソムデットプラヂャーオユーフアマハーワチラーロンコーン・ボディンタラテープパヤワラーングーン国王(戴冠式が終わるとこの前にプラバートが付きます)と改められ今日に至っています。戴冠式は、故国王陛下の火葬の儀の後になるようです。 ワチラーロンコーン国王陛下は、バンコクでお生まれになった後、幼少期から1966年まではイギリスで、1970年からはオーストラリアで学ばれ、陸軍予科課程を修められました。1972年からは陸軍士官学校で学ぶ傍ら、スコータイ・タンマティベート大学で人文学を修められました。1975年には陸軍情報局の軍人として公職に就かれ、現在も陸海空3軍の大将の肩書を持ち、ヘリコプターやジェット機の操縦もされています。 また、日本の皇室、なかでも秋篠宮文仁親王との親交が深く、1990年には天皇陛下の即位の礼の際に来日されました。今後、戴冠式を終え正式にタイ国王となられた後には、父君のご意志に従って、国王の務めを果たされることと思います。
住田 千鶴子 スミタ・トレーニング・センター&コンサルタント主宰。長年にわたり、日本人駐在員や日系企業のタイ人従業員向けのトレーニング講師、国際会議での通訳・翻訳業務に携わる。著書「タイ国とタイ人」は紀伊国屋書店等にて販売中。 http://sumitaschool.com/