2017.10.25連載
タイカルチャー基礎知識:前国王陛下のご葬儀
2016年10月13日、ラマ9世プーミポン・アデュンヤデート前国王陛下が崩御されました。本日から29日に国葬が執り行われれ、火葬日の26日は政府官公庁の休日となります。
在位80年と長期だっただけに、今回の国葬は例を見ない大規模なものになると思います。昨年から準備が始まり、クイブリー国立公園で栽培されている、王室の特別な儀式だけに使われる白檀の木12本が伐採され、さらにその中の4本が特別に選定されました。12月には、棺などを作製する「10種の匠」(書家や彫刻家など)が選ばれ、製作が始まりました。年が明け、王城前広場で葬儀用の建屋建設が始まり、棺を乗せる台車などが作られ、7月には音響設備と生中継の為のカメラが設置されました。
国葬は本日17時半から、王宮のプラティーナング・ドゥシット・マハープラサートから始まります。26日7時、棺は煌びやかな台車に乗せられ、古式ゆかしき衣装に身を包んだ兵士たちの長い列を従えて、王宮前広場の式場に移ります。その後、17時半から火葬の儀式が行われます(実際の火葬は22時から)。翌27日8時、「お骨拾い」の儀式が行われ、ご遺骨は王宮内のプラティーナング・ドゥシット・マーハープラサートに安置されます。28日の17時半からその他の儀式と読経、29日10時半から儀式と読経が行われた後、ご遺骨はプラティーナング・チャックリー・マッハープラッサートに安置されます。残りのご遺灰は2つに分けられ、17時半に王室と所縁の深いラーチャボーピット・サティット・マーハーシーマーラーム寺とボーウォーン・ニウェート・ウィハーン寺に安置され、一連の国葬は終結します。大規模な国葬は、期間中ずっと生中継されると思います。タイ国民と共に、尊敬の念と感謝の気持ちを持って拝見したいと思います。
住田 千鶴子 スミタ・トレーニング・センター&コンサルタント主宰。長年にわたり、日本人駐在員や日系企業のタイ人従業員向けのトレーニング講師、国際会議での通訳・翻訳業務に携わる。著書「タイ国とタイ人」は紀伊国屋書店等にて販売中。 http://sumitaschool.com/