2017.03.1特集
今夜は「寿司」だ! 旨い寿司を食べるならここ! バンコクの寿司屋8軒をご紹介!
寿司のルーツは一説によると、メコン川流域なんだとか。ナレズシ(魚と米の発酵食品)のようなものが、長い時間を経て、はるばる東アジア、そして日本へ伝わっていったと言われています。それが今、〝関西風〟や〝江戸前〟といった形に姿を変えて、寿司の故郷へと戻ってきました。バンコクは、世界でも屈指の旨い寿司が食べられる都市にまで成長。高級カウンターから、大衆寿司店まで、個性派ぞろいです。旨い寿司を食べるなら、いま訪れるべき8軒をご紹介します。
“本格江戸前” さくら川 〜日本美あふれる正統派の寿司〜
訪れる度に、その時々の旬のネタで楽しませてくれる。夜のカウンターはおまかせのみ。
夜になるとカウンターが、駒田さんの技を心待ちにする客で埋まる。まるでライブの特等席。置かれたにぎりを間髪入れずに口に運べば、舌の上でほどけたシャリと魚の旨みが混じり合い渾然一体となる。「寿司は温度管理が重要で、ネタごとにシャリの温度や握り方を微妙に変えています。握った直後が一番おいしいので、ぜひカウンターで一貫ずつ提供するおまかせを味わってください」。
日本の天然物というだけでもありがたいのに、そこに一手間加えるのが江戸前の寿司。美しい佇まいからは丁寧な仕事がうかがえる。米酢をベースに独自の配合で赤酢を加えた固めのシャリも自慢だ。これからは、春子鯛や貝など、春を告げる魚介が続々登場。予約をしてお出かけを。
TEL:02-661-7284, 098-829-5278 営業時間:11:30-15:00, 17:30-22:00 住所:B1F Jasmine City, Soi 23, Sukhumvit Rd. 会席orコース:おまかせコース(3,000B〜) セット:おきまり(9貫+巻物/1,500B)
“しゃれた空間” 寿司十番 〜大人を興奮させる極上空間〜
カウンター席で一貫ずつ握ってもらう寿司は格別だ。まるで隠れ家バーのごとき、ソイ奥の静かなたたずまい。扉をあけると目に飛びこんでくるのが、和やかな空間と長い長〜いカウンター。本格寿司店ながらモダンな雰囲気で、日本酒にもワインにも、次々に合わせたくなる料理があれこれ揃っている。
総料理長の小林さんは、寿司から割烹まで手広くこなすキャリア30年超のベテラン。豪快な炎を上げてつくる名物「藁焼き」をつまみながら、小林さんの巧みな江戸前の技を堪能しよう。一貫ごとにきっちり仕事がされた握りは見た目も美しく、満足感たっぷりなのに、高すぎない適正価格がさらに嬉しい。接待や会合はもちろん、記念日やデートでも喜ばれそうな、しゃれた大人の寿司店だ。
TEL:02-258-2813, 063-225-4115 営業時間:17:30-23:30(L.O.23:00) 住所:120/26 Soi 23, Sukhumvit Rd. 会席orコース:なし セット:おまかせ12貫(1,600B)
“月替りの旬魚” 鮨忠 〜ほっとする、端正な寿司〜
にぎりおまかせ(1,780B)。8席あるカウンターなら一貫ずつゆっくり楽しめる。あらゆる地域から人が集まるバンコクは、寿司の好みも結構バラバラ。やれシャリが、やれネタがと言い争いにもなりかねない場を、円満にまとめてくれるのが鮨忠だ。
「日本と変わらぬ味を、日本と変わらぬ雰囲気で」の姿勢が、多くの駐在員から愛される理由。シャリは固すぎず、柔らかすぎない万人ごのみ。毎月変わる旬の魚を、寿司、刺身やお料理と、客の好みの形で提供する。「冬の王者ブリもまだまだ楽しめますし、さより、真鯛と、春のお魚もこれから」と、寿司職人の平澤さん。カウンターで寿司をゆっくりつまみながら会話を楽しむもよし、落ち着ける純和風の個室で大切な会合を催すもあり。折り目正しいお寿司を味わうならここ。
TEL:02-713-8312, 085-145-1722(日本語) 営業時間:月-金11:30-14:00(L.O.13:45), 18:00-22:30 (L.O.22:00), 土日祝11:30-22:00 (L.O.21:30) 住所:2F Eight Thonglor, Soi Thong Lo 8, Sukhumvit 55 Rd. 会席orコース:会席コース(2,600B〜) セット:にぎりおまかせ(9貫+巻物/1,780B)
“個室でゆっくり” 鮨凛 〜気楽で粋。これぞ寿司の醍醐味〜
「おまかせ10貫」(1,880B)。シメにちょうどよい6貫(1,280B)もある。寿司屋というのは不思議なところで、仕事の駆け引きの場所でもあり、ホッと息をつける家のようでもある。鮨凛は、まさにそんな深い懐をもつ店で、接待利用から晩酌寿司まで、オールマイティに使える寿司屋だ。
魚は築地直送の天然物。一品料理も多いので、時季物の料理を幾つかつまんで、寿司でしめるとちょうどいい。有明海産の海苔、淡路の藻塩、提携農家栽培米という食材へのこだわりは、「海外で暮らす日本人の方々に、安心しておいしいお寿司を食べてもらいたい」という、アジアで長年寿司職人をしてきた邊見さんの気持ちから。3月は、魚はもちろん山菜も美味。たらのめ、山うど、ふきのとう。春の香りを存分に味わってほしい。
TEL:092-921-5729 営業時間:火-金11:30-14:00, 18:00-22:30 土日11:30-14:00, 17:30-22:00 住所:4F RSU TOWER, Soi 31, Sukhumvit Rd. 会席orコース:おまかせ会席コース(2,700B〜) セット:おまかせ10貫(1,880B)
“ほどけるつかみ寿司” ゑんどう寿司 〜大阪文化を肌で感じる〜
上まぜ(5貫/480B)は全部で4種類。人気のネタがいろいろ楽しめる。大阪中央卸売市場で100年以上続く老舗の寿司店。もともと魚問屋で働く人々が急いで食べられるようにと、温かいご飯を軽くつかんでこしらえたものが「つかみ寿司」と呼ばれる。
寿司は、ご飯と魚のバランスと食べやすさが大事」と話す難波さんは、長年大阪のゑんどう寿司で働いてきた職人さん。ほろっと崩れる絶妙な力具合で握れるようになるには、かなりの修行がいるそうだ。異なる5貫のつかみ寿司が一皿に盛られた「上まぜ」を、2枚、3枚と食べ進めていくのがこちらのスタイル。日本の市場直送のネタに、魚の旨みがつぎ足された秘伝の醤油を、ハケでサッと塗って食べよう。大阪の市場文化が詰まった寿司を、タイでじっくり味わってみては。
TEL:02-712-5211 営業時間:11:30-14:00(L.O.13:30), 17:30-22:30 (L.O.22:00) 住所:2F THE TASTE THONGLOR Soi Thong Lo 11, Sukhumvit Rd. 会席orコース:なし セット:上まぜ(5貫/480B)
“コスパが抜群” 喜多郎寿し 〜「気軽に寿司」を実現した店〜
その日の旬を味わえるおまかせ10貫(600B)。にぎりのほか棒寿司も人気。通称・裏プロンポンと呼ばれるスクンビット・ソイ26の脇道で、ゆらゆらともる提灯が風情たっぷりの喜多郎寿し。大阪で6店舗展開する人気の寿司店で、2貫一律120Bを実現し、「バンコクの寿司は高い」という概念を覆してくれた。魚は大阪の店舗と同様に、すべて大阪中央市場直送の鮮魚を使用。酒のツマミにも合い、飲んだ後にも胃におさまる、少なめご飯の“しゃりこま”な寿司が特徴だ。
ウニ、イクラ、トロ……と高級ネタを10貫食べても600Bで収まるから、自腹で寿司も楽勝。昨年末には、プロンポン店の2階に個室が完成し、より使いやすくなった。また3月下旬には、トンローソイ9に2店舗目をオープン予定で、こちらも楽しみだ。
TEL:02-665-6066, 087-755-9735(日本語) 営業時間:18:00-3:00(L.O.2:00) 住所:12/7-8 Soi 26, Sukhumvit Rd. 会席orコース:なし セット:おまかせ10貫(600B)
“明石の前もの” 呑 〜瀬戸内の希少ネタ、入ってます〜
一貫99B になる“寿司祭り”継続中! 大トロもイクラも均一価格で嬉しい。
明石海峡の早い潮流に鍛えられた明石の魚は「前もの」と呼ばれ、身が引き締まっていて、脂のりもバツグン。そんな日本でも稀少な前ものが、呑で存分に味わえる。明石市場と提携して、毎週季節の魚を鮮度そのままに入荷。真鯛にひらめ、まごちに明石だこ……と、前ものを含めて30種類は並ぶネタケースは、まことに壮観だ。
カウンターに立つのは、この道30年の寿司職人・穂坂さん。気さくな会話と、確かな腕に惚れこむファンは数多い。「おすすめは明石のとらふぐ。にぎりもいいけど、刺身も鍋もおいしいよ」。寿司以外にも、焼き物や揚げ物などメニューは幅広く、完全個室を7部屋備え、接待や宴会に使いやすい。足繁く通いたくなる、そんなお店だ。
TEL:092-663-1001(日本語), 02-714-3003, 080-776-9900(店主直通) 営業時間:17:00-1:00(L.O.24:00) 住所:23/1 Soi Ekkamai 12, Sukhumvit 63 Rd. 会席orコース:明石コース(1,500B〜) セット:握り(特上)1,980B
“日本産コシヒカリ” みずこし 〜心が目覚める、熟練職人の技〜
にぎりは並600Bから特上1,500Bまで。ランチの握り寿司セット(330B)も好評。
一口めで「ああ、寿司ってこうだった!」と、舌の記憶がよみがえる。見た目はかなりオーソドックス。しかし、手仕事がていねいに施された寿司には、ただものじゃない感が溢れている。それもそのはず、店主の大熊さんは寿司職人に始まって、40年以上に渡り、日本の飲食産業の表舞台を牽引してきた“食のプロ”。
「魚は食べどきを見極めて、最良の状態でお出しする。海外だからと手を抜かず、正しく伝えることが私の役目」。だから、食材の品質にはとことんこだわり、茨城産コシヒカリを独自のルートでで入荷し、野菜はチェンマイ産オーガニック、徹底した手作りで安全な食を提供する。心の奥底に響く味に出会いたいなら、まっ先にここへ。
TEL:099-923-2716(日本語), 087-646-3939(タイ) 営業時間:11:00-14:00, 17:00-22:30(L.O.22:00) 住所:777 Rain Hill Building, 2F Room L2/10-11,Soi 47, Sukhumvit Rd. 会席orコース:みずこしコース(1,750B) セット:特上寿司(8貫+巻物/1,500B)