2015.04.25連載
タイカルチャー基礎知識:ソンクラーン祭り
4月13日〜15日は、タイのお正月「ソンクラーン祭り」です。ソンクラーンはサンスクリット語で「移動する」という意味で、太陽の軌道が白羊宮(おひつじ座)に入り、太陽暦の新年が始まることを指します。元はバラモン教の祭りで、水の恵みに感謝し、祈る儀式から始まっています。
期間中、人々は実家に里帰りし、尊敬を込めて両親や祖父母の両手に聖水を注ぎ、両親や祖父母は祈りを返します。この習慣は、それまでに積んた功徳を先祖に捧げることと、年長者が年少者の幸福を祈るという2つの意味があります。みなさまにも近くのお寺に行ってみることをお勧めします。お坊様が聖水をかけて、幸せを祈ってくださいます。
さて、このソンクラーン祭りですが、発祥の地は中国南部の 雲南省で、そこには今でも昔の祭りの姿が残っているそうです。 また、バンコクの隣のサムットプラーカーン県プラパデーン地区に行くと、国内最大級のソンクラーン祭りを見ることができます。この地区には東南アジアの原住民モン族が多く暮らしているので、民謡劇や「サバー」という伝統的な遊び、壮大なパレードなどを見ることもできます。ただし、開催期間が他より一週間 遅いのも特徴ですので、お確かめの上お出かけください(今年 は4月19日(日)の予定)。チェンマイでは、ワット・チェンマン がお勧めです。ここには、ソンクラーン祭りの時に登場する大理石の仏像と、雨を降らせる力が宿っていると信じられている水晶の仏像が納められています。
ソンクラーンの期間中に街中を歩く場合は、水をかけられるのを覚悟でお出かけ下さいね。そして水をかけられたら、「ありがとう!」と言えるぐらいの心のゆとりを持っていて下さい。皆様にとって、タイで過ごされるこの1年が、幸せに満ちた年でありますように!
住田 千鶴子 スミタ・カルチャー・センター&プロダクション主宰。長年にわたり、日本人駐在員や日系企業のタイ人従業員向けのトレーニング講師、国際会議での通訳・翻訳業務に携わる。東京ディズニーランドにて会議通訳・コーディネータ ー・アシスタントマネージャーとして18年活躍。初来タイは50年前の1963年。日本人駐在員の必須マナーについての著書が12月27日に出版予定 (SUMITA Limited Partnership出版)。 http://sumitaschool.com/