2016.02.20連載
タイカルチャー基礎知識:タイのバレンタイン
日本ではチョコレートの年間売り上げの20%がバレンタインデー前後に売れるそうです。1970年代に日本のチョコレート会社が販売促進の目的で広めた結果、日本では女性が男性にチョコレートを贈り、3月14日には、男性が女性にお返しの贈り物をするという世界でも稀な形になっています。
さて、タイのバレンタインデーには、プレゼントは男性から女性に、そして女性も男性に贈ります。プレゼントの1位は相手への気持ちを書いた「カード」、2位が「花束」、3位が「チョコレート」、そして4位が「クマのぬいぐるみ」の順です。花束の中でも1番人気なのは真紅のバラの花、2番目は白いユリの花、そして3番目は淡いブルーのわすれな草だそう。わすれ な草は英語で Forget Me Not という名前が付けられているの で、“私を忘れないで!”という気持ちを込めて愛する人へ贈られるようになったようです。ただし、この花はタイではあまりないので、それに似た「アンゲロニア」という花を代わりに贈ることが多いそうです。
タイで最も人気があるチョコレートは、イタリアの「FERRERO ROCHER」。バレンタインデーが近づくとセブンイレブンでもたくさん売られます。この金色の紙に包まれた真ん丸のチョコレートを花束のブーケの様にアレンジしてプレゼントする人たちを多く見かけます。この日、タイ人のカップルはお揃いの服やアクセサリーを身に付けて、一緒に出掛けます。また、この日に求婚したり、結婚式を挙げたり、市役所に結婚届を出しに行ったりします。小・中・高校では、生徒同士がハートのスティッカーを制服の上に何枚も貼り合って盛り上がります。生徒同士だけではなく、先生にも付けるので、人気のある先生は体中ハートだらけになるのだとか。ステッカーなら安上がりでいいかもしれませんね!
住田 千鶴子 スミタ・カルチャー・センター&プロダクション主宰。長年にわたり、日本人駐在員や日系企業のタイ人従業員向けのトレーニング講師、国際会議での通訳・翻訳業務に携わる。東京ディズニーランドにて会議通訳・コーディネータ ー・アシスタントマネージャーとして18年活躍。初来タイは50年前の1963年。日本人駐在員の必須マナーについての著書が12月27日に出版予定 (SUMITA Limited Partnership出版)。 http://sumitaschool.com/